佐々木拓人君インタビュー

鉄道撮影が自分のルーツ

写真を始めたきっかけを教えてください。
写真に興味を持ちだしたというか、写真を撮りだしたのは、小学校…5年か6年ぐらいの時なんですよ、たぶん。
その時父親が、型落ちのヤツですけど小さいデジカメを2台買ってきて、安い方のヤツを使っていいって言われてたので。 さすがに学校行く時とかは(カメラを)持って行かなかったですけど…だいたい持ち歩いてて人をバシャバシャ撮ってて、今もデータが残ってますけど、見たら「ああ、ひどい写真やな」って(笑)。本当にもう、思ったままに撮ってるっていうか、もう、なんにもなってないなぁっていう(笑)
で、中2の冬に…1回、冬におもいっきりきれいな木があったんですよ、雪山で。「これはなんか写真撮りにいこうかな」て思って朝、父親と一緒に、その時不登校で家にいたんで、(お父さんを)起こして、連れてってもらって…まぁそこ(家の近く)なんですけど。
で、小学校入る時ぐらいまで電車が好きやったんですけど、小学校に入ってからだんだん(電車から)離れてったというか…嫌いではないんですけど、特に何もさわらずにいたんです。
それでその冬の日に写真を撮りに行って、たまたまそん時に「雷鳥」と「日本海」(北陸本線・湖西線を走っていた最後の国鉄型特急)っていう、昔から走ってた歴史ある電車が来てて、その時に『あ、これはきれいやな』と思って撮って…。で、これはこんな世界というか『こんなきれいなんがあんねや!』と思って。それから2日に1回ぐらい、朝起きて撮りに行ってたりして、そっからだんだんずっとハマってったというか、ほとんど鉄道の写真ばっか撮ってましたね。本気で撮りだしたのは鉄道ですね。

今回、写真展(2013年8月1日〜18日にLoop Aにて開催)に参加しようと思ったのはなぜですか?
この話を聞いたのが、学校のスクーリングの時やったと思うんですけど、(写真展が)あんねんやったら出したいなぁって思って。
ただ、その時特に『これで出したい!』とかっていうのが無かった、っていうと怒られますけど(笑)、そういう特別な思いとかでなく、自然な流れで。自分の写真がパネルになって展示されるっていうのは滅多にない事なんで、自分でやろうと思ったら結構大変やし、それやったらぜひやりたい!って思って。

佐々木くんはギターを弾かれるということで、最終日にはミニライブも開かれますが、音楽より写真をメインで参加されたのには何か想いがあったりするのでしょうか。(佐々木くんは5歳頃より父親とギターデュオを始め、様々なコンクールで金賞を受賞。2013年3月にはフランス・ニースにあるオーケストラにソリストとして呼ばれ演奏した)
ん~、自分の写真がパネルになって展示されてるのが見てみたかったっていう気持ちがありますね。
あと、全然自分の写真はむしろ下手やとしか思ってないんですけど、それで他の人に見てもらって、どんな意見が聞けるんかなぁとか、写真投稿とかもしたことがなかったから、知らない人の意見も聞いてみたかったのと、 他の人の写真も見てみたかったですね。

「自分の物語」の表現がすごく難しかった

今回写真展のテーマが「自分の物語」ということですが、自分を見せるというところで、写真でどういったことを伝えたいですか。
ものっすごい難しかったです(笑)!新たな写真を撮るべきなのか、これまでにあった写真の中から選んだ方がいいのかっていうのを迷って。
なんか…(笑)ものっすごい難しかったです!イメージが全然湧かなくて(笑)。
ハッキリ言ったら今回展示している写真も、撮った後に『あ、これ物語になるな』っていう後付けなんで、どっちかって言うと。

その中で重視したことはありますか。
たぶん、自分が見てるモノっていうのを表現したかったというか、いつも見てるモノというか、自分の目を通して見えてるモノ…。音楽にしても結局楽譜があって、そっから自分が感じたリズムを出していくわけで、たぶんそこの部分は一緒なんかなって思って。そういう部分がポイントになったかなと。

好きな作家やアーティスト、影響を受けた人やモノってありますか。
音楽に関したらあると思いますけど、写真では特に影響受けた人っていうのはいないですけど、そんな中でたまに見かけるのが中井精也さんっていって鉄道写真家なんですけど、その人はなんか…正統な鉄道写真じゃなくて“ゆるふわ”というか他の人と違うんですね、撮ってる写真が。
ネットで一日一枚鉄道写真をあげるっていう、その日に撮ったっていうのをやってはって、たまにのぞいたりしてますね。目標にしてるわけではないんですけど、見てておもしろい。

基本的には音楽でやっていきたい

これからも写真での創作活動は続けていきますか。
はい、カメラが壊れない限り…無くならない限り(笑)フィルムの写真もチャレンジしたいんですけど、お金が…(笑)
一回やったことはあるんですけど、人にもらったフィルムとかで…でもやっぱりなんだかんだで現像費代とかで…(お金がかかる)(笑)フィルムの方が僕は好きなんですけど。

お金にちょっとでもゆとりがあれば、フィルムで?
やりたいです(笑)!!やっぱり昔のカメラの方がいいんで、デジカメよりはるかにちゃんと撮ってるって感じもするし。
あと(カメラ本体が)軽い。僕はまだギリギリ、フィルムの写真は知ってるんで、普通に売られてた時代も。子どもの時フィルム(カメラ)の蓋を開けて怒られたり(笑)

表現手段として写真以外でチャレンジしたいことはありますか。
基本的には音楽でいきたいな、って感じです。ただ、あの、自分の中でどっちが好きかって言われたら絶対写真の方が好きです。
やっぱり音楽は、なんだかんだ言うて“やらされてる感”が無いわけではないんで(笑)。でも音楽は、5歳の時から生活に組み込まれちゃってるんで、抜けないんですよね。
「写真でやりたい」と思った事はあるんですけど、自分が写真ではやっぱりそこまでいけるもんではないっていうのは分かってるんで。結局音楽には勝てない。

佐々木拓人

1996年1月26日生まれ
ECC学園高等学校
愛用のカメラ:PENTAX K10D
趣味:写真、読書、ぼーっとすること

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